病気に関する知識
胃腸病
このコーナーでは日頃気になっている胃腸症状あるいは困っている胃腸症状について一般的なことをお話します。 重大な病状のことも有りますので出来るだけ医師に相談されることをお勧めします。
Helicobacter pylori(ヘリコバクターピロリ菌)
胃内はかなりの強酸の環境なので、菌は生存できないと考えられてきました。しかしながら、この強酸の環境下でも活発に活動している菌がいることが解りました。らせん状で鞭毛を持っているためヘリコバクターピロリ菌(H.pylori)と呼ばれています。H. pyloriは食事中の尿素を分解しアンモニアを作りますが、このアンモニアが胃や十二指腸の粘膜を傷害し胃炎や潰瘍を引き起こすと考えられています。 WHOは先ごろ、H. pyloriを胃癌や胃リンパ腫の発がん因子であると断定しました。
H. pyloriは幼児期に経口感染し、日本人では、中年以降の感染率は50~60%以上と考えられています。日本人に胃癌が多いのはH. pylori感染者が多かったためです。H. pyloriに感染しているからといって余り神経質になる必要はありませんが、一族に胃癌が多い方や上腹部の症状がある方は胃内視鏡を受け、H. pyloriのチェックを受けられといいでしょう。
H. pyloriの除菌療法は保険適応になっています。従来は胃潰瘍や十二指腸潰瘍を伴うピロリ菌感染症の患者さんにだけ除菌療法が認められていましたが、平成25年2月21日以降は慢性胃炎の方にも保険適応になりました。このため最近は多くの方が除菌療法を受けられています。
除菌療法を受けるためには必ず胃内視鏡を受ける必要があります。その後、アモキシシリン(合成ペニシリン)、クラリスリマイシン(マクロライド系抗菌薬)、プロトンポンプインヒビター(制酸薬)を1週間服用します。除菌率は全国平均で70~80%です。
便秘
便秘や下痢は主観的なものですが、一般的には1週間に3回以上、1日に3回以下であれば特別に異常とはいえません。重大な病気のために便秘になることがあります。例えば、大腸がん、特に左側結腸に発生した癌では便秘が主な症状なので、中年以降の方で便秘になった方は是非、専門医に相談されることをお勧めします。しかしながら、便秘の大半は習慣性、弛緩性あるいは緊張性など機能性の便秘と考えられます。1日の便の重量は100~200gで、80%が水分です。これら水分は繊維に取り込まれているため繊維を多く摂らないと柔らかい良い便が形成されません。また、ある種の炭水化物や多糖類が大腸で腸内細菌の作用により蠕動を亢進して排便を起こさせる重要な働きを担っていることも解ってきました。炭水化物に富んだ食事をとることも重要です。治療法としては、
- 朝食をしっかり摂り、その後排便のために十分な時間をとる。ウォーキングなどの運動を行う。
- 繊維に富んだ食事(フルーツ、野菜、根菜類、ブラン)や水分を摂取する。
- ミネラルオイルやラクツロースといった下剤を服用する。
生活習慣病と食事・運動
従来、成人病と呼ばれていましたが、最近は生活習慣病といわれるようになりました。その名の通りこれらの疾患は私達の生活習慣がその発生や進展に大いに関係しています。生活習慣病には次のようなものがあります。
これら生活習慣病はそれぞれ密接に関連しており、食事や運動などの生活習慣の改善により予防あるいは進行を抑えることが出来ます。
食事
運動
私たちは取り込んだカロリーの大部分を筋肉で消費します。食事からとったカロリーは完全に消費してしまう必要があります。もし残ってしまうと内臓や皮下に脂肪としてたまり、これが体に悪影響をもたらします。その日のうちに使い切ってしまうことが健康にいいことです。つまり宵越しの金は持たないことです。
運動により標準体重を維持しましょう!標準体重(kg)=身長(m)x身長(m)x22
漢方医学の特徴
日本医師会編「漢方治療のABC」によると、漢方医学には下記のような特徴があります。
- 中国・日本の伝統文化の特徴を持つ。
- 病人に最適の処方を選択することが目的である。
- 科学技術の未発達な時代の医療経験に基礎をおく。
- 生薬を組み合わせて用いる。
- 常に全身を一個の有機体としてとして診断する。
- 心身全体の調和をはかる。
- 病人の個体差を尊重する。
- 同じ病気でも病状により異なる処方を用いる。
- 経験的病態分類を用いる。("陰陽"、"虚実")
- 仮想的病因を論じる。("気・血・水")
- いくつもの生薬が集まって力を発揮する。
- 生薬の欠点を補うように種々の生薬が組み合わされている。
- 一人一人の体質により同じ病気でも処方が違う(オーダーメイドの治療)。
また、漢方薬が得意な領域として、下記のような病気が挙げられます。
- アレルギー疾患(花粉症、気管支喘息など)
- 消化器疾患(慢性胃炎、過敏性腸症候群、下痢、便秘など)
- 婦人科疾患(更年期障害など)
- かぜ
